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スモールビジネスの始め方|個人開発者が学んだ事業選びの考え方

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    Nomad Dev Life
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1. グローバル向けSaaSを作っても、ユーザーは増えなかった

私は海外ユーザー向けのSaaSを開発し、公開しました。しかし、プロダクトをリリースしただけではユーザーはほとんど増えませんでした。

集客では主にSEOとRedditでのコールドリーチを試しました。SEOについては想定以上に成果があり、狙ったキーワードで検索上位に表示されるようになり、AI Overviewでもコンテンツが引用されるケースがありました。それでも登録ユーザーは思うように増えませんでした。

一方、Redditでのアプローチはさらに難しいものでした。困りごとを相談しているように見える投稿でも、実際には競合サービスへの誘導を目的としたものが少なくありません。本当に課題を抱えている相手を見つけるだけでも、想像以上に時間がかかりました。

機能を追加すれば状況は変わるだろうと考えた時期もありましたが、問題はプロダクトそのものではなく、売り方や顧客の見つけ方にあるのではないかと思うようになりました。そこで一度立ち止まり、スモールビジネスの基本を学び直すために本書を手に取りました。

2. 一番刺さったのは「変えるべきは自分ではなく、やり方」という考え方

本書の中で最も印象に残ったのが、「変えるべきなのはあなた自身ではなく、あなたのやり方」という考え方でした。

ユーザーが増えないと、「自分にはマーケティングの才能がない」「営業が苦手だから向いていない」と考えてしまいがちです。私自身も、集客がうまくいかない原因を自分の能力に求めてしまうことがありました。

しかし、本書では能力を増やすことよりも、「今できること」を組み合わせてビジネスを作ることの重要性が繰り返し述べられています。

実際に私も、この本を読んでから「もっと良い機能を作ろう」と考える時間を減らし、「今あるプロダクトをどう届けるか」を試す時間を増やしました。その結果、これまで気付かなかった改善点が見えるようになり、小さな反応も得られるようになりました。

もちろん、一度やり方を変えただけで成果が出るわけではありません。それでも、「能力不足だから失敗した」と考えるのではなく、「次はやり方を一つ変えて試してみよう」と考えられるようになったことは、私にとって大きな変化でした。

3. 「何を作るか」より「誰にどう売るか」が重要

エンジニアとして個人開発をしていると、「何を作るか」に意識が向きがちです。新しい技術を使ったり、まだ誰も作っていないサービスを考えたりすることに、多くの時間を使ってしまいます。私自身も、「独自性があるプロダクトなら使ってもらえるはずだ」と考えていました。

しかし、本書では「何を売るかは大した問題ではない。それを、どこで、誰に売るのかが重要である」と述べられています。また、「大きな需要を見つけ、その流れの中に飛び込む」という考え方も紹介されています。

この考え方を読んで、自分が市場よりもプロダクトを優先していたことに気付きました。実際には、ニッチすぎる課題を解決しようとしていたため、困っている人そのものを見つけることが難しくなっていました。

さらに本書では、ゼロから新しいビジネスモデルを考えるのではなく、すでに数年間続いているサービスを観察し、良い部分を取り入れることも勧めています。私は以前、「真似をするのはよくない」と考えていましたが、長く続いているサービスには、顧客がお金を払う理由や、継続して利用される仕組みが詰まっています。それらを分析することは、ビジネスを学ぶ近道なのだと考えが変わりました。

この章を読んでからは、新しい機能を考える前に、「誰の課題を解決するのか」「その人たちは普段どこで情報収集しているのか」を先に考えるようになりました。プロダクト中心ではなく、市場や顧客を起点に考える視点を持てたことは、本書から得られた大きな学びの一つです。

4. 面倒なことほど参入障壁になる

本書の中でも特に印象に残ったのが、「面倒で効率が悪そうに見えることほど、高い参入障壁になる」という考え方です。個人開発をしていると、自動化や効率化を優先したくなります。しかし、本書では、最初から効率だけを追い求めるべきではないと述べられています。

この考え方を読んでから、私もコールドリーチのやり方を見直しました。それまでは、できるだけ多くの人に短時間でアプローチすることを意識していました。しかし、それでは相手にとって価値のある情報を提供できず、ほとんど反応は得られませんでした。

そこで、本書で紹介されていた「まず無料で価値を提供する」という考え方を取り入れ、ターゲットごとに無料レポートを作成することにしました。作成には時間がかかりますし、自動化もしにくい作業です。それでも、相手の状況に合わせた内容をまとめて送ることで、「読んでみます」「参考になりました」といった返信をもらえるようになりました。

もちろん、無料レポートを作れば必ず成果が出るわけではありません。しかし、手間がかかるからこそ、同じことを続ける人は多くありません。本書を読んで、「面倒だからやらない」のではなく、「面倒だからこそ試してみる」という判断基準を持てるようになったことは、実務の進め方にも大きな影響を与えました。

5. 成功している人を真似るのは悪いことではない

本書では、「成功しているサービスの良いところを真似し、それをさらに改善すればよい」と書かれています。私はこれまで、「オリジナリティがなければ意味がない」と考え、新しいアイデアばかりを追い求めていました。しかし、それはビジネスでは必ずしも正しい考え方ではないことに気付かされました。

特に印象に残ったのは、「3年以上続いているサービスを観察する」というアドバイスです。長期間運営されているということは、それだけ顧客に価値を提供し、収益を上げ続けられているということでもあります。機能だけではなく、価格設定、プランの分け方、導入事例の見せ方、無料プランの有無など、学べるポイントは数多くあります。

実際に私も、競合サービスのランディングページや料金体系、ユーザーへの価値の伝え方を以前より詳しく見るようになりました。すると、「この機能があるから売れている」のではなく、「この順番で価値を伝えているから問い合わせにつながっている」といった気付きが増えました。

もちろん、そのままコピーするのは避けるべきです。しかし、すでに市場で成果を出しているやり方から学び、自分のサービスに合う形で取り入れることは、遠回りを減らすための有効な方法だと感じています。ゼロから正解を探すよりも、成功事例を出発点に改善を重ねるほうが、個人開発では再現性の高い進め方ではないでしょうか。

6. 私が実際に試したこと

本書を読んだあと、最初に変えたのは「まず価値を提供する」という考え方です。それまでは、プロダクトを紹介して興味を持ってもらうことを意識していました。しかし、それでは相手にとって得られるものが少なく、返信率も低い状態が続いていました。

そこで、コールドリーチの相手ごとに無料レポートを作成することにしました。レポートには、相手のWebサイトやサービスを確認した上で、改善できそうなポイントやデータをまとめ、すぐに役立ててもらえる内容を掲載しました。作成には時間がかかりますが、「まず価値を届ける」という本書の考え方を実践した形です。

最初の結果は、20件送って1件程度の返信でした。決して高い数字ではありませんが、それまでほとんど反応がなかったことを考えると、大きな前進でした。

さらに、本書で紹介されていた「やり方を少しずつ変えながら試す」という考え方を取り入れ、あらかじめ試行件数を決めて検証するようにしました。例えば10件送ったら、返信があった人となかった人を比較し、レポートの内容や伝え方を改善するという流れです。このサイクルを繰り返した結果、最近では10件に1件程度の割合で返信をもらえるようになりました。

まだ十分な成果とは言えませんが、「機能を増やすこと」ではなく「届け方を改善すること」が成果につながることを、自分自身で確かめられたのは大きな収穫でした。

7. この本を読んで変わった考え方

この本を読む前は、「もっと良いプロダクトを作れば、いずれユーザーは増える」と考えていました。そのため、新しい機能を追加したり、UIを改善したりすることに多くの時間を使っていました。

しかし、本書を読んでからは、「プロダクトを改善する前に、やり方を改善する」という考え方に変わりました。売る相手は適切か、価値は十分に伝わっているか、無料で提供できるものはないか。まずはこうした点を見直し、それでも反応が得られなければ次の仮説を試すようになりました。

また、「100人中99人に断られても、1人が買ってくれればよい」という考え方も印象に残っています。以前は反応がないことを失敗と捉えがちでしたが、今では「今回のやり方では刺さらなかった」という検証結果として受け止められるようになりました。そのため、以前よりも落ち着いて改善を続けられるようになったと感じています。

もう一つ変わったのは、効率を求めるタイミングです。以前は最初から自動化やスケールを意識していましたが、本書を読んでからは、まずは手間をかけて顧客の反応を集めることを優先するようになりました。面倒な作業の中にこそ、顧客の課題や改善のヒントが隠れていることが少なくないからです。

現在も試行錯誤は続いていますが、「つぶれないことを最優先に、小さく試して改善を繰り返す」という考え方は、個人開発やスモールビジネスを続ける上での軸になっています。

8. この本がおすすめな人

本書は、「スモールビジネスを始めたい人」だけでなく、「すでに始めているものの、思うような成果が出ていない人」に特におすすめです。

例えば、個人開発でプロダクトを公開したものの、ユーザーが増えないと悩んでいるソフトウェアエンジニアには、多くの気付きがあると思います。私自身、「もっと良い機能を作れば状況は変わる」と考えていましたが、本書を読んで、改善すべきは機能ではなく売り方や顧客への届け方であることに気付きました。

また、副業としてスモールビジネスを始めたいものの、何から手を付ければよいか分からない人にも向いています。本書では、特別な才能や斬新なアイデアを前提としておらず、すでにある需要を見つけ、小さく始めながら改善していく方法が具体例とともに紹介されています。

一方で、短期間で大きな成功を目指す人や、革新的なビジネスモデルの作り方を学びたい人には、少し物足りなく感じるかもしれません。本書のテーマは、一攫千金ではなく、堅実に利益を積み重ね、長く続けられるスモールビジネスを作ることにあります。

個人開発や副業に取り組んでいて、「このまま続けても本当に成果が出るのだろうか」と感じているのであれば、一度読んでみる価値のある一冊です。私自身、本書をきっかけに行動の優先順位が変わり、小さな改善を積み重ねることの重要性を実感できました。

9. まとめ

『できない僕がスモールビジネスで成功したアイデアと方法』を読んで感じたのは、スモールビジネスで成果を出すために必要なのは、特別な才能や斬新なアイデアではなく、「やり方を変えながら試し続ける姿勢」だということです。

私自身、この本を読むまでは、プロダクトの機能を増やすことばかり考えていました。しかし実際には、無料レポートを作って価値を先に提供したり、一定件数ごとに仮説を見直したりと、届け方を改善したことで少しずつ反応が変わり始めました。まだ道半ばではありますが、「何を作るか」だけでなく、「どう届けるか」を考える重要性を実感しています。

本書には、すぐに実践できるアイデアが数多く紹介されています。しかも、高額な教材やコミュニティへの参加を前提とした内容ではなく、この一冊を読むだけでスモールビジネスの考え方を体系的に学ぶことができます。

もし、個人開発や副業でサービスを公開したものの、思うようにユーザーが増えず悩んでいるのであれば、一度手に取ってみることをおすすめします。私と同じように、「もっと機能を作らなければ」と考えていた人ほど、新しい視点を得られる一冊になるはずです。