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自分で作った分析ツールが、Chat UI一発で代替された
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- Nomad Dev Life
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Unsplashの Vitaly Garievが撮影した写真
SEOコンテンツ改善ツールを自作していた
プロダクトのページを検索結果上位に押し上げるために、コンテンツ改善ツールを自作していました。
やりたかったことはシンプルです。対象ページのURLと検索キーワードを入力すると、検索上位のページと比較して「何が足りないのか」「追加すべき見出しや説明は何か」をレポートとして洗い出す仕組みです。
毎回この調査を手作業で行うのが面倒だったので、ツールにしてしまおうと考えました。 実際に作り始めると、それなりに手間がかかりました。
PythonとSERP APIで検索結果や上位ページのコンテンツを収集し、データを整形したうえで、Codexに渡して対象ページとの差分を分析させる。

個々の処理は難しくありませんが、一連の流れとして動かすにはそれなりにコードを書く必要があります。ようやく一通り動くようになり、手元で運用を始めていました。
ふと、GrokのChat UIで試してみた
先日ちょっと時間があったので、プロンプトだけで同じような改善案を出せないか、Grokで試してみました。
対象ページのURLと狙っているキーワードを渡し、「このキーワードで検索上位のページを調査し、対象ページと比較して、不足しているコンテンツを指摘してください」とプロンプトを書いてみます。
すると、Grokが対象ページの内容を確認し、Web検索で上位ページの内容まで分析してくれました。 さらに「上位ページに共通する要素」「対象ページに不足している情報」「追加すべき内容」が綺麗に整理されて出力されます。
取得方法や分析精度など細かな違いはあるものの、やっていることのコアは自作ツールとほぼ同じでした。
自分が作った仕組みが、一瞬で不要になった
そこで思いました。
「これ、全部Chat UIでできるじゃん」
Pythonでページを取得し、SERP APIを叩き、JSONに整形して、Codexに渡す。 何日もかけてコードを書き、ようやく動くようになったパイプラインです。
それが、GrokのChat UIにURLとキーワードを入れてプロンプトを打つだけで、あっさりと代替できてしまいました。
もちろん自作ツールなら取得データや分析方法を細かく制御できますが、今回の目的は「SEO分析の手間を減らすこと」です。そう考えると、わざわざコードを書いて自作ツールを維持する必要性は一気に薄れました。
何日もかけて作ったものが、AIの進化によって一瞬でコモディティ化する。AI時代の開発では、こういうことが日常茶飯事になっていくのかもしれません。
でも、ツールを作ったことは無駄ではなかった
では、時間をかけて作ったツールは無駄だったのでしょうか。
今のところ、そうは思っていません。
実際に手を動かして作ったからこそ、SEO分析に必要な処理の解像度が上がりました。何を収集し、どう整形し、どう比較して、最終的にどんなレポートが欲しいのか。このプロセスを分解して理解できていたからこそ、Grokの出力を見た瞬間に「自分が作った仕組みとほぼ同じだ」と見抜くことができました。
もし最初からChat UIで「SEO分析して」と頼んでいたら、プロンプトの組み立て方も、出力の評価もここまで深くできなかったはずです。
ツールそのものは不要になりましたが、解像度を上げるための実験、そして今後の指針を検討する上で、十分すぎる価値がありました。
AI時代は「作る前に試す」が重要になる
今回の経験から、開発の進め方を見直す必要があると感じました。
これまでは「課題があるから、まずコードを書いて自動化しよう」と考えていました。 しかし、これからはコードを書く前に、CLIやAPIを呼び出すより簡単な、Chat UIだけでこの課題をどこまで解決できるかを試してみるべきだな、と思いました。
最近よく言われる 「SaaS is dead」 という言葉も、今回の件で実感を伴って理解できました。 これまでなら「この作業を自動化するWebサービスを作ろう」と考えていた領域が、Chat UIに課題を直接投げるだけで片付いてしまう。
今後も、AIがアップデートされるたびに、「以前はコードが必要だったこと」がプロンプト1つで済むようになっていく可能性があります。だからこそ、「解決したい課題」を明確に言語化してストックしておくことが重要になります。
ソフトウェアを作ること自体の価値がなくなるわけではありません。しかし、「ソフトウェアそのものを作ること」は、もはや価値の中心ではなくなりつつある、そんな時代の変化を身をもって体感する良い機会になりました。